「キリング・フィールド」のモデルとなったジャーナリストである
シドニー・シャンバーグ氏がお亡くなりになったそうです。
カンボジア内戦時のポルポト派の虐殺を描いたこの映画はとても好きな
作品です。
第二次大戦以降の戦争を描いた作品としては、
やはりコッポラさんの「地獄の黙示録」でしょうね。
1978年には「ビッグウェンズデー」と「ディアハンター」という
アメリカの普通の青年達がベトナム戦争で友情や人生を壊されていく
ある意味で正統的な戦争映画(二本とも良い作品)が公開されていて、
コッポラさんのはその二年後になる80年の配給です。
しかし、「地獄の黙示録」はベトナムの悲劇を斜め方向から切り取った、
それ故に傑作となった作品です。
惨劇を正面から描くのではなく、人間の心の襞に染み込む様な
暗く重い作品です。
この7年も後に「ハンバーガーヒル」なんていう、
正に唯ドンパチやるだけの映像でベトナム戦争を描いた作品を撮った
ジョン・アーヴィンはアホです。
まだスタローンの方が救いがありますね。
トム・クルーズという俳優はハリウッドが生んだ、ある意味パロディー
みたいな二枚目俳優だと思っているのですが、
「7月4日に生まれて」は非常に良い作品だと思います。
オリバー・ストーンは「プラトーン」を撮った時の感性を無くしてしまった
という批判もあった様ですが、逆だろう?と言いたくなります。
89年の作品で、正に80年代の終わりと共にベトナムを題材にした作品は
この辺りを境にあまり撮られることは無くなっていった様に思います。
しかし、サイゴンが陥落してから何十年も人々の心に影を落とし続ける。
私は非常に大きな意味で戦争に絶対反対する者ではありませんが
(人口の調整とか)、やはり割には合わない行為だと思います。