「森の生活 ウォールデン」
ヘンリー・デビット・ソロー
シンプルライフを送りたいなら、まずは読むと良いのかもしれません。
19世紀の本ですが(日本では明治に刊行されました)、アメリカでは
国民的な古典書です。最近、ミニマリストと言う言葉をよく耳にしますが、
まあ、元を正せばこのお方の存在が根底にある訳です。
自然に回帰してシンプルな生活を送ると言うのは、生活様式以上に
その思想が問われると言うことですね。
断捨離という行為で食器の数は減らせても、現代人は洗剤の使用を
止めることは中々出来ません。
ソローさんはその辺りを厳しく問い詰めます。
朝のコーヒーを批判して水を飲めと。
感化されて求道的な道を進む人も昔は多くいましたが、
やはり現実に即していない(多分、現実が間違っているのでしょうが)
実現不可能な道は険しく、本家USAでもオノ・ヨーコ的なカウンター
カルチャー同様、潔癖なソローイストは敬遠される傾向です。
そもそも、ソローさん自体が2年しか森の生活をしていませんからね。
まあ、この時代の実験的な試みだったのかもしれません。
出来る事はやるけど、大風呂敷を広げたり他人に強要はしない。
エコロジーというのはそれ位の付き合いが良いのかと。