レオン・ヴェルトとサン=テグジュベリの関係性は素敵だ。
それが辛い時代を生きた~と言う点を加味しても。
そして、今の私にはキツネが必要なのだ。
トゲトゲした心理状態を的確に収めてくれる。
私はこの作品が永らく嫌いだった。
それは、学生時代に福士に捕らわれた国語教師が最早、
宗教的とも言える勢いで勧めるから嫌になったのだ。
でも、大人になった今、あの先生も生き方の理想と現実の
ギャップに苦しんでいたのであろうことは想像に難しくない。
その学校の美術の先生は、怠惰な雰囲気を振りまく、
椎名林檎の様な、ちょっと良い感じの女性だった。
彼女はゴーギャンに傾倒していた。
私は、国語教師がゴーギャン、美術教師が星の王子様を
敬愛していれば面白いのになぁ~と思いながら、
全く授業等には心無く、唯、窓の外に広がる、とても深い青色に
想いを馳せるのだった。