主語に女性を使う系の、まあ原理主義者ですね。
正直、おっしゃっている事はボーヴォワールさんが既に述べた
ではないかとも思いますが、個人的にはチャーミングな部分もあって
嫌いではありません。
老後のお茶飲み友達として、近所にこんな方が住んでいたら楽しい
だろうなぁ~と思います。
また、映画評論家としての顔もお持ちです。
そんな田嶋先生に関して、私は二つの印象深い思い出があります。
ひとつは、私の好きな邦画、北野武の作品で「あの夏いちばん静かな海」
の感想を求められた際に、やはりいつものフェミニズム論で評価して
しまったこと。
Joe Hisaishi - silent love 「あの夏、いちばん静かな海」
この作品は耳の聴こえない青年がサーフィンを始め、同じく耳の
聴こえない彼女がそれを優しく見守る~と言った内容です。
しかし、ストーリーの後半、サーフィンの大会の後で仲間と記念
写真を撮るシーンがあります。
そこで、入賞した彼の小さなトロフィーを持った彼女と彼が写真に
収まります。ここで、ニュートラルな気持ちでこの作品を観ていた
人は主人公は彼では無く彼女だったことに気付くのです。
また北野武はそれを前面に出すのではなく、写真の中の二人の微妙
な立ち位置で表現する。人の心のひだに優しく触れるこの気持ちが
海外で高く評価される理由なのだと思います。
残念ながら田嶋先生はそれに気付かなかった。
自分の主張を世の色々な事柄に当てはめようとしてはいけません。
小島慶子もエア離婚なんて言ってる場合じゃありませんね。
もう一つは田嶋先生の天敵、舛添要一氏との対談の際のことです。
舛添さんは確かに性格も悪そうだし、しつこそうだし、まあヒール
キャラですよね。
その対談で舛添さんは私はナイフが好きでアメリカには良い作品が
多いので飛行機の検査で持ち帰れるサイズの物を良く購入する。
刃物は切れないと危ないので質の良い物を使うことが安全に繋がる~
と言う様な趣旨のことを発言しました。
それに対して、田嶋せんせいの反応は~
「ほらね!ほらね!!」・・・・・・・・
要は舛添さんは変人だからナイフみたいな危険な物を収集する。
とんでもない人間だと言う反応でした。
確かに舛添さんはヒールですが、大人の矜持は持ち合わせている
のでしょう。いつもなら、田嶋先生の攻撃にムキになって反論する
場面ですが、この時は全く相手にしませんでした。
舛添さんはナイフがフェミニズム論等が台頭するより遥か昔から
人類が必要としていたツールであることを判っているので
その様な態度を取ったのでしょう。
自分の信念を強く思うと言うのは時に近視眼的になりがちです。
まあ、田嶋先生もあの頃に比べればかなり丸くなりましたし、
極端なフェミニズム論も最近は見直される傾向にあります。
女性が女性であることによって被る不利益は無くすべきです。
しかし、全てはバランスを取りながら着実に進めて行くことが
大切なのではないでしょうか。
私は平行感覚に優れたしなやかで強い論客が現れることを
ずっと望んでいます。