雨後雨

いつも降っています。日差しがあっても。

50部のコピーと輝ける時代

転職してから、あれよあれよ言う間に8年近くの時間が経って

しまいました。

どうにか業務にもなれて、それなりのポジションに就いたのかと

は思うのですが、学生の頃からの時間軸で繋がっていた仕事が

一度途切れてしまったのでちょっと寂しいところがあるのは

否めません。

 

  

 

17×19mmの首振りラチェットメガネレンチを購入しました。

例によってKTC(京都ツール)の普及品です。

まあそれでも5千円以上したので私にとっては結構な出費w

 

Yさんと言うレーシングメカニックの方がいらっしゃいまして、

80年代に世界グランプリのチームでも整備を担当して

大活躍していました。

そして、帰国後にその2サイクルレーシングバイクの整備方法を

手書きの文字とイラストで書き上げ、自らコピーを行い

50部だけ発行したのです。

 

   

 

こんな感じの紐閉じで40ページ位の内容でした。

色々な経緯がありまして、その内の貴重な一冊が何故か

我が家に有りまして、当時高校生でバイク整備に青春の

全てのエネルギーをぶつけていた私には正にバイブル。

その内容は簡潔で非常に判り易く、良いマニュアルと言うのは

どんな時もそれを参考にする人をやる気にさせる様な内容で

書くべきなのだと言うことを深く学んだのでした。

18歳になって上京する際も私はこのマニュアルを携帯しました。

その後、20年程経ってこの優れた書籍を読むべきだと思える

青年に引き継いだので今は手許にはありません。

何冊くらいが現存するのか気になりますが、

それよりも転職してからの私はあの80年代前半~中盤の時代が

やけに懐かしいのです。

その後に起こるバブルと自身の夢の挫折。

失われた20年と更にグローバル化しながら没落して行く現代。

先のことなんて何も考えずに唯々バイクが好きだった青年。

転職ともう手許にないマニュアルは、そんな哀愁を私に

呼び起こさせるのです。