遺伝子に神は宿らない。
それは親子になると決めた人間同士の絆にこそ宿るもの。
「宇宙船とカヌー」
ケネス・ブラウワー
カウンターカルチャーが若者の心を捉えていた60~70年代。
世界的な物理学者で宇宙船や宇宙コロニーの建造に人生を捧げる
父フリーマン・ダイソンと17歳からカナダ沿岸部で自然と共生
した生活を送る息子ジョージ・ダイソン。
彼はアリューシャン型のシーカヤックをアルミニュウムやナイロン
を使い現代に蘇らせます。
二人の生き方の違いが当時の北米での社会問題や世代間の
隔絶を浮かび上がらせます。
そしてラストで親子が再開する場面は非情に感慨深いです。
ジョージ・ダイソンが設計した「バイダルカ」。
バイダルカは市販されていません。
これはそれを必要とした人が自ら作り上げる
設計図であり思想であり生き方として存在します。
今も在るのかは判りませんが北海道のアウトドアショップに
完成艇が展示されていました。
どうしてもそれを見たくて北海道に旅行に行った際
雪が舞う日に妻の人とそのお店を訪問したのは良い思い出です。
仕事をリタイヤしたらこんな本物の道具をクラフト出来ると
良いですねぇ。