ジンは肌に合う。
酔い方の速度が丁度良いのだ。
昔、元銀座のホステスさん(辞めて5年以上経っていた)と仲良く
なって、時々映画や美術館に行ったりしていた時期があったのですが、
彼女は非常に派手な顔の作りではあるけど、生活や立ち振る舞いは
控え目というか地味。スタイルも平均的な日本の女性だ。
では、普通の人とどこが違うのか??
それは一にも二にも会話。
受け手でも話し手でもない~と言うか気付かない。
しかし、彼女と一緒にいると、こちらは話したい事を話したい分だけ
話終えている。普通、異性と一緒にいて、デートっぽい日を過ごしたならば、
「もっとこう言っておけば」とか「言うんじゃなかった」ってシーンが
必ずあると思うのですが、彼女と話をしていると、どんな時、どんな話題
でも、こちらは必要な分だけのことを全くストレスなく話終えている。
彼女が何かの知識をひけらかしたことは無いし、かと言って、ちょっと
込み入った専門的な内容になっても、知らないと言ったこともない。
手品みたいです。
と、まあ話が逸れましたが、私にとってジンとはそんなお酒だ。
そんなジンを使った代表的なカクテルと言えばギムレットですね。
私は甘党ですので、コアントローのライムジュースも好きなのですが、
フレッシュライムジュースとビーフィター24のみの超ドライでシェイク
するのが好きです。シェイキングは音が出ないよう柔らかく。
そんなシンプルなレシピが私のギムレットです。
でも、その彼女とはバーで飲んだりしたことはありません。
普通に居酒屋やファミレスでしたが、今にして思えば会話だけでは
なくて、そんな部分も相手に合わせて自在に伸縮出来るさりげなさが
有ったのでしょうね。なんにせよ、非常に感じ入る点の多い、
素敵な女性でした。
唯、彼女とはなんとなく会う機会が無くなってしまいました。
その時の私には(今もだが)、大人としての力量が不足していたの
でしょう。
そう、ギムレットには早すぎたのだ。