フランスかぶれの人は好きではないのですが、
中学生の頃に読んだ、サガンの作品はやっぱり大人の国を
感じさせずにはいられないものでした。
そりゃ、森瑤子が敵う訳がありません。
まあ、誰に聞いても最高傑作は18歳の時に書かれた、
デビュー作の「悲しみよ こんにちは」なのでしょうが、
私はこの「夏に抱かれて」も好きです。
世間では生活に窮して企画物を安易に書き上げたと酷評ですが、
そんなに悪くはないと思うんですよね。
百数十億も稼いだのに、スキャンダラスに塗れ、生活に窮した
晩年を過ごした寂しい女性~と言うのは日本人的な物の見方なのかも
しれません。
瑞々しい感性で世に出て、怠惰な壮年期を過ごすと言うのは
作家としては悪くない生き方という気がします。
フランソワーズ・サガンの感性は時代を超えて、尚名作の誉れ高い。
恋愛コミックも良いのですが、時にはこんな一冊を読んでみると
女子力向上に役立つかもしれません。