雨後雨

いつも降っています。日差しがあっても。

10代最高の思い出

昔の事を書くといつもこの話になってしまうのですが、

私は排他的な田舎で育ったので、子供の頃は周りに自分のやりたい事を

理解してくれる人はおらず子供なりのチャンスなんてものには

全く恵まれない状況でした。

例えば野球をやりたいならそれは可能なのですが、

山登りをやってみたいと言ってもそんな経験のある人は居ません。

唯、バイクのレースに興味を持ち、将来は本格的にチャレンジして

みたいと思った時に唯一味方となる人が居ました。

それは兄の友人でTさん。

兄が学生だったころから毎日の様に我が家に遊びに来ていました。

バブルで空前のバイクブームだった頃に就職したTさんは

街乗りで使っていたホンダの400ccで筑波サーキットを走り始めると

中古の250cc純レーサーを購入。

働きながらサーキットに通っていました。

兄もタイム計測等、手助けをしていました。

当時、ティーンエイジャーだった私が影響されない訳がありません。

私もアルバイトをしてオフロードバイクを買って独学で練習したり

先輩がくれた50ccのバイクをレストアしたりと勉強もせずに

バイク人生を突っ走り始めます。

しかし、この頃から人付き合いが苦手で学生らしく友達と遊ぶことも

殆ど無く、実家のガレージに籠ってひたすら機械いじりの日々でした。

そんな中、Tさんが筑波サーキットで行われる全日本ロード選手権を

観戦に行こうと誘ってくれたのです。

この時は兄は仕事で行けなかったのですが、多分独りぼっちで

いつもガレージに居る私を見かねて彼がTさんに連れていってくれる様に

頼んでくれたのだと思います。

まあ修学旅行も苦痛で仕方が無かった私ですがこの話は天にも昇る

気持ちで本当に嬉しかったです。

当日、車で迎えに来てもらうまで嬉しくて殆ど一睡も出来ませんでしたw

道中はバイクについてのあれこれを色々話したのですが興奮していて

殆ど記憶にありません。

やがてサーキットに到着。

パドックパスを購入して地下通路を通って憧れのA級ライダーの

チームを間近で見た時はテンションMAXでした。

しかし、ぐずついた天気はどんどん悪くなって決勝レースが始まる

頃は3月なのになんと雪になってしまい、やがてサーキット全体が

真っ白になってしまいました。

結局ジュニア(国際B級がこの名称に変わりました)と国際A級の

125ccしか決勝レースは観戦出来なかったのですが、とにかく私に

とっては10代で最も楽しい思い出に残る1日になりました。

Tさんには今もこの日の事を感謝していますし、先日父の法事で

そのことを兄に伝えたら嬉しそうにしていました。

 

 


www.youtube.com

 

 

その日のバイク番組がYouTubeにありました。

あれから随分と時間が経ちましたが私はまだバイクに乗っています。

もし他のことをやっていたらどうなっていただろうと考えることも

ありますが、結局私にはバイクしか無かったし残りの人生も

バイクの為に過ごすんだろうなぁ~と思います。