二十代の中頃から数年間、離婚調停中の30代の方とお付き合いを
していました。普段はあまり逢う時間が取れなかったので、
夏休みと年末年始とGWはハイシーズンに関わらず一緒に海外に
旅行に行きました。当時の私はやっと一人前になった頃で薄給でしたが、
年2回のボーナスは毎回確実に支給され、毎年上がっても下がることは
ありませんでした。今思えば夢の様ですね。
行きたい場所は100%彼女の希望。
アジアからユーロ圏まで、英語の堪能な彼女におんぶに抱っこで。
累進だから~と笑って、高給取りの彼女はいつも少し私より多く支払う。
出世払いの見込みはないのだけれど。。。。
2人とも息をする様に読書をするタイプだったのでリゾートのビーチ
でも会話もせずにずっとお互いに本に夢中になっていました。
もっとも彼女の読んでいたのはアメリカ文学の原書であり、
私の読むのはエッセイに毛の生えたような日本の軽い小説や翻訳物の
ミステリーが関の山なのですがw
あの頃のお金を貯金しておいたら今頃~なんて考えることは1mmもなく
人生で最も有意義なお金の使い方だったという自負があります。
結局、彼女とは時期が来てお別れしてしまい、私はそれ以後、一度も
海外旅行をしていません。多分、もう死ぬまで渡航することは無いでしょう。
彼女成りのけじめだったのか、結局二人で写した写真は一枚も無く。
「本にお金を使いなさい。ハードカバーを読むように」
最後に逢った日に彼女から言われた言葉です。
離婚は無事に成立して、今は誰かと幸せになっていると良いなぁ。
本は読んでいます。今でも少しずつ。