オートバイの世界グランプリ。
80年代の前半はコンチネンタルサーカスと言う
別称で呼ばれたりしていました。
その頃は参加者はメーカーのマシンに乗るファクトリーライダー
より市販車や自作のマシンで参加するプライベーターが主役でした。
ヨーロッパ大陸をジプシーの様にレースからレースへと何千キロも
移動し、サーキット内のパドックでキャンピングカーやトラックに
寝泊りしながら世界グランプリの合間にはインターナショナルレース
も走ります。家族や恋人が帯同するチームも多く、洗濯や食事等
生活全般を共にするサーカス一座の様な大集団。
当然、レースとなれば全員がライバルとなるのですが。
「グランプリを走りたい」
根本健
これは現ライダースクラブの編集長 根本健氏が60~70年代に
国内のレースを走り、念願の世界グランプリに参加した軌跡を
まとめた書籍です。
後半、世界グランプリ参戦時のレース以外の実生活における
困難や周囲の人達の支援が臨場感があってとても良かったです。
あっと言う間に読み終わってしまいました。
最先端のレーシングマシンを使って争われる競技。
しかし、それでもやはり主役は人であることを改めて感じさせて
くれる良書でした。