雨後雨

いつも降っています。日差しがあっても。

勘違い

 

 

清野菜名は有能だ。

一見、特徴の無い顔立ちはメイクとスタイリングでかなりの幅を

出せるし、アクションは相当なレベル(と言うか他には居ない)。

役の為なら脱ぐのも厭わない。

つまり、何かに依存しなくても自身のスキルが高い

仕事の出来る女なのだ。

 

そして、女優なんて特別な職業に関わらず私達社会人は

皆、なにかしらのプロである訳です。

唯、そのプロにも色々な方が居る訳で、残念ながら仕事の出来ない

人も一定数いらっしゃいます。

私はこれまで職場で面接を行ったり、業務の指導に当たって

仕事の出来ない=使えない人には一定のパターンと言いますか

指向が有る様に感じています。

 

一番に思うのは、

その人にとって優先されるのが業務の合理性より周りと上手くやる

ことになってしまっている人。

職場は学校ではありません。

結果=数字が全てです。

結果以外の過程は掛かったコストで判断されます。

会社が存在する意義は社会に必要とされ、そこで得られたお金で

社員とその家族の生活を守ることです。

間違えてはいけないのは、社員とその家族を守るために必要なのは

崇高な理念やアットホームな職場の雰囲気等という抽象的な事柄では

無く、飽くまで売り上げ=お金だと言う事。

良く良い経営者の条件を聞かれると、

「社員のことを思いやれる人」なんてトンチンカンな事を言う人が

います。なんというお花畑。。。。。

良い経営者と言うのは、

「どんな時でも仕入れのお金と社員の給料を確保出来る人」です。

異を唱える人は、人間的に尊敬出来る経営者がその月の給料を

あなたに支払えなくなった際に沸き起こる不信感を想像してみると

良いでしょう。2ヶ月も払えなかったらその経営者の人間性など

殆どの社員は忘れている筈です。

そして、給料が安い、業務はブラックだと常に文句を言いつつも

確実に毎月の給料と少ないながらも一定額のボーナスが支給される

友人のことを羨ましいと思わない筈がありません。

つまり、会社でも個人事業主でも利益を上げることは絶対なのです。

その為には働く人間が考えるのはやはり合理性=数字です。

そして、より良いやり方を追求する方向で社員のベクトルが揃って

いれば、そこに有るのはディベートとトライ&エラー。

そして、一緒に働く同僚のスキルに対するお互いのリスペクトに

なります。時には激しく意見がぶつかることもあるでしょう。

でもそれはより業務を洗練させる為。

そして、そう言う仕事の仕方を理解している人は、考え方の違いに

よるぶつかり合いでお互いの関係が悪くなるなんて思っていません。

それはそもそも良い仕事をするのに必要なことだからです。

 

仕事の出来ない人は全てがこの逆の考え方をしています。

当たり障りなく、自分の意見は言わない。

何か発言してボロが出るより黙ってやり過ごそうという考え。

実際は10のダメな提案の中に一つの光る意見がある人の方が

会社にとっては遥かに大切な人材なのに。

古くからいる人に目を付けられない様にしようとか、

パフォーマンスとは全く関係のないことばかりに気を遣って

そんな下らないことで起こる齟齬に対しては怒って喧嘩する

ことも出来ない。

そんな周りとの調和が第一義の人程、他人の給料が気になります。

結果で働く人は報酬はあくまで自分の成果に対する対価なので

そんな事は気にしませんし、その額に納得がいかなければ

手順を踏んで交渉を行います。

 

結局、職場と言うのは鉄火場です。

正しい意味での喧嘩が出来ない人は何処に行っても

使えない人なのです。

そして、使えない人は使えない人を捕まえて下らない

いびつな職場の和を作り、売り上げを食い潰していきます。

 

但しそんな状況から抜け出すことは簡単です。

あなたの職場にいらっしゃる結果の為に働く仕事の出来る人に

「自分は今の状況が嫌です。私に仕事を教えて下さい」と

頭を下げれば良いのです。

まともな大人を舐めてはいけません。

あなたの小さな自尊心を遥かに上回る包容力を持った

仕事人なんてニュートラルな視点で周りを見回せば必ず居る筈です。

頭を下げて人にものを頼めない内はいつまで経っても半人前。

 

それでも歪な職場の和から抜け出して前向きな仕事のやり方に

踏み込めない方。

あなたは民間の企業には向いていません。

また、起業してもうまくはいかないでしょう。

NPOとか全ての作業がマニュアル化された大手のライン工とか

で働くのが幸せかもしれません。

因みにその手の方が良くする勘違いに、

だったら田舎でスローライフ~とかってパターンがありますが、

そっちの方が遥かに大変です。効率追求という意味で。

まあ勘違いの上に勘違いを重ねないのが吉です。

 

「技は力の中にあり」

この格言の意味は、

自分の実力を上げないと周りの人間に優しくすることは出来ません

ということだと私は解釈しています。

人生の大半を働かなければならないのならば、

やはり強くなって人に必要とされたいと思うのです。