私は機械いじりが好きです。
但し、手先が器用な訳ではありません。
その自覚は私の幼少の頃の記憶に刻まれています。
私の実家がまだ戦前に建てられた古い家屋だった頃。
台所にはレンガのカマドがありお風呂は薪で炊いていました。
家の前には樫の硬い板で出来た祖父手製の縁台が置かれていました。
多分、三歳位の私は納屋の工具箱から金槌と釘を持ち出して
その縁台に打ち付けたのです。
何故そんなことをしたのかは判りません。
やってみたかったから?ww
しかし、その釘は子供の手では真っ直ぐ入らず途中でくの字に曲がって
しまいました。当然です。。。。。
でもその時、なぜか幼い私は自分の不器用さと工作を自分の中心
として生きて行く人生を悟ったのでした。
その思いに対する疑いは一片も無く、幼稚園から小学生までは
ひたすら動く模型を作り続け、中学生になるとそれは電子工作に
発展します。高校生になるとそれは原動機=内燃機関になり
仕事もその延長となります。
その後、転職して仕事は広い意味で好きな機械関係の業界をサポート
する感じの内容に移行します。
結局、あの釘を打ち損ねた日から半世紀以上、私は自分の機械好きと
それに対するセンスの無さと言う矛盾する日々の中で人生を過ごして
来た訳です。
ここに至るまで私は何度模型をエンジンをはたまたあの日空高く飛んだ
グライダーを作り上げる為に徹夜をしたのでしょう。
そんな他人から見たら無垢な時間を過ごす事が出来たのは
きっと自分の不器用さを早くから認識していたからだと思います。
私はきっとこの不思議な記憶に導かれて死ぬ時も自分の工作物の
進捗具合を気にしているのでしょうw
でもこの点に関してはブレることなく歩んでこれて幸せだったと
思います。
次に臨時収入が有ったら欲しいSUNSTARのブレーキディスク。
こんな風に自分が使えるお金を機械いじりに使わずに貯金していれば~
なんて1mmも思いません!!
レストアを始めたものの直し切れなかったバイク。
せっかく作ったのに池に沈んでしまったボートのプラモデル。
どうしても外す事が出来ずに夏休みの一週間を費やしたボルト。
全てが自分の財産で今、自分の仕事と生き方の支えでしかありません。
ものをつくるのはたのしいことです